1993年はムートンにとって受難の年?

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1993年がムートンにとって受難の年と言うのはワイン通であればすぐにイメージできると思います。

そのヴィンテージのムートンのラベルは、日本人の妻、節子を持つ、フランスの有名画家バルテュスのラベルで、横たわる裸の少女が描かれていました。

しかしこのラベルは、アメリカでそのラベルの使用を拒否されてしまい輸出の許可が取れず、ラベルを変更せざる得なかったのです。

そこでアメリカ市場に向けてのラベルのみ、デッサン画が描かれるべき部分が背景色のみのラベルでリリースすることになったのはちょっとワインの好きな人には有名な話です。

しかし、ムートンの受難はこれだけにおさまらなかったことはあまり知られていません。

その年はムートンで初めてセカンドワインがリリースされた年だったのですが、現在、ムートンのセカンドワインはプティ ムートン(Le Petit Mouton de Mouton Rothschild)と言う名前で売られています。

しかし、1993年のファーストヴィンテージはその名前ではなく、ル・スゴン・ヴァン・ド・ムートン・ロートシルト(Le Second Vin De Mouton Rothschild) としてリリースされていたのは一部のムートンコレクターとワイン通にしか知られていません。

この名称の中のセコンド(Second)というのが、メドック2級を意味するとして、メドック2級のシャトーよりクレームが出てしまい、翌年より現在の名称プティ ムートン(Le Petit Mouton de Mouton Rothschild)に変えざる得ず、現在の名前でリリースされることとなったのです。

真のムートンコレクターは1993年は通常のラベルとUSAラベル、そしてセカンドワインもコレクションに加えて下さいね。

それでこそ真のワイン通です。

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