ワイン通はブルゴーニュの造り手(生産者)を把握しているのは当然として、更にはその造り手のフラッグシップ銘柄や評判の良い銘柄を知っていて当然です。
ワイン界のスーパースターで今や伝説のHenri Jayer(アンリ ジャイエ)のフラッグシップ銘柄と言えば、特級のRichebourg(リシュブール)やEchezeaux(エシェゾー)ではなく、1級畑のVosne Romanee Cros Parantoux(ヴォーヌ・ロマネ クロ・パラントゥー)なのはワイン通なら誰でも知っていることです。
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90年代までは特級のRichebourg(リシュブール)やEchezeaux(エシェゾー)の方が圧倒的に人気があったのですが、ジャイエ自身がお気に入りの1級畑のVosne Romanee Cros Parantoux(ヴォーヌ・ロマネ クロ・パラントゥー)を丁寧に世話して品質も圧倒的に上がってきたことで現在ではフラッグシップ銘柄になっています。
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そして亡くなった後には伝説のジャイエのお気に入りの畑として、時にはあのロマネコンティをも凌ぐ価格となっています。
今回はそんなブルゴーニュの有名な造り手のワイン通なら知っていなくてはならないフラッグシップ銘柄を紹介していきたいと思います。
勿論、ワイン通は造り手の銘柄だけを知っていてもワイン通として認められることはありませんので、少なくとも代表銘柄についてはある程度は語ることが出来ないとならないのは言うまでもありません。
出来れば飲んでいるにこしたことはないでしょう。
世界一有名で高価なワインとされるロマネコンティを造るD.R.C(ドメーヌ・デ・ラ・ロマネ・コンティ)のフラッグシップはもちろんRomanée-conti(ロマネコンティ)ですが、他にもモノポールのLa Tache(ラターシュ)と白ワインの最高峰のMotrachet(モンラッシェ)は加えておいてもいいでしょう。
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モンラッシェの最高峰はこのD.R.C(ドメーヌ・デ・ラ・ロマネ・コンティ)かComtes Lafon(コント・ラフォン)かでワイン通の大好きな論争のひとつとなっていますが、希少性からコント・ラフォンが若干勝るかもしれません。
そんなComtes Lafon(コント・ラフォン)ですが、前述のMotrachet(モンラッシェ)とともに非常に評価が高いのがMeursault Perrieres(ムルソー・ぺリエール)となります。
ムルソーでありながらモンラッシェの雰囲気をまとった白ワインは唯一無二で他に追随を許しません。
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白ワインの名手としてコントラフォンとともに双璧をなすのはJean-Francois Coche Dury(コシュ デゥリー)であるのはワイン通なら疑いの余地がないでしょう。
コシュデゥリーのフラッグシップ銘柄は何といってもCorton Charlemagne(コルトン シャルルマーニュ)です。
かつては金ぴかのラベルだったのは昔からのワイン通には常識ですね。
最近は2度のラベル変更をしたので、かつてのラベルが好きだったワイン通には近年のラベルは少し軽い感じがするかもしれませんね。
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ビオデナミの先駆けとされるLeflaive(ルフレーブ)はMontrachet(モンラッシェ)もリリースしていますが、やはりChevalier-Montrachet(シュヴァリエ・モンラッシェ)がフラッグシップとなるでしょう。
そもそも昔からシュヴァリエの区画の総面積7.6haのうち約2haを所有していたルフレーヴはかつてはこの銘柄で評価されていたからです。
91年にMontrachet(モンラッシェ)を所有しますが、ルフレーヴと言えばシュヴァリエという昔からのワイン通は多いでしょうね。
ルフレーヴはやっぱりシュバリエでしょうと言った方がモンラッシェというよりも通っぽいことは言うまでもありません。
レストランのワインリストをみてシュバリエがあればオーダーするとソムリエも一目置くのは言うまでもありません。
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白ワインが続いていますが、更に掘り下げていきましょう。
変わったところではCOMTE GEORGES DE VOGUE(コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ)の白のBourgogne Blanc(ブルゴーニュ・ブラン)。
ワイン通なら中身はMusigny Blanc(ミュジニー・ブラン)ということは知っているかとも思います。
そんなBourgogne Blanc(ブルゴーニュ・ブラン)ですが、植え替えをしたのが1992年です。
もうそろそろ植え替えをしてから25年となりますのでMusigny Blanc(ミュジニー・ブラン)としてリリースされるのも近いと思います。
このドメーヌは基本的に樹齢25年以上の古樹しかグランクリュには使わず、25年に満たないような樹のブドウはグラン・クリュの畑のブドウであってもプルミエ・クリュやその下のワインとしていることでも有名です。
Vieille Vignes(ヴィエイユ・ヴィーニュ)が刻印されるとともにラベル名がいつ変わるのがワイン通のひとつの注目点です。
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また、Faiveley(フェブレイ)のように名手というにはちょっとというようなドメーヌでも評価の高いカルトワインを生産していることもあります。
Corton Charlemagne(コルトン シャルルマーニュ)とMusigny(ミュジニー)はFaiveley(フェブレイ)で数少ない評価されているワインで、ボトルにナンバリングもされています。
生産量がともにあまりにも少ないので手に入れるのがとても難しい銘柄としても有名です。
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他に白で秀逸な造り手としてシャサーニュの名手Ramonet(ラモネ)も忘れてはいけません。
ワイン通なら当然知っているでしょうが、Motrachet(モンラッシェ)を筆頭に、他にもグランクリュのBatard Montrachet(バタール・モンラッシェ)やBienvenue Batard Montrachet(ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ)も造っていますが、フラッグシップはと聞かれれば、CHASSAGNE MONTRACHET 1er CRU LES RUCHOTTES(シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・ルショット)と言えれば、この人は本当にワイン通なんだと認められること間違いなしです。
要するに一番格が上のワインがドメーヌの評価を決めるものではないということのいい例です。
勿論、Batard Montrachet(バタール・モンラッシェ)やBienvenue Batard Montrachet(ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ)は評価に値するのは当然としてです。
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アンリジャイエ亡き後、赤ワインの造り手でポスト アンリジャイエと言われている造り手たちのフラッグシップワインも紹介していきましょう。
まずは筆頭に挙げられるであろう、Georges Roumier(ジョルジュ・ルーミエ)から。
Chambolle Musigny Les Amoureuses(シャンボール・ミュジニー レ・ザムルーズ)がワイン通としてルーミエのフラッグシップとしてまず挙げるべきワインでしょう。
Musigny(ミュジニー)も確かにフラッグシップですが、Les Amoureuses(レ・ザムルーズ)の方が如何にもワイン通向きなのです。
Les Amoureuses(レ・ザムルーズ)は恋人たちとの意があり、そんなことからも世界中のワイン通からの支持を得ているのかもしれません。
Roumier(ルーミエ)は他にもグランクリュのBonne Mares(ボンヌ・マール)、Clos Vouget(クロ・ヴージョ)や白のCorton Charlemagneコルトン・シャルルマーニュまで造っていますが、Les Amoureuses(レ・ザムルーズ)と言えばRoumier(ルーミエ)とも言える銘柄なので飲んでおくとワイン通としての地位を確保できるでしょう。
また、Roumier(ルーミエ)のワインは年々高騰しているので飲んでおくなら今のうちかもしれません。
今後はアンリジャイエのように高騰して手が出なくなってしまうことも考えられるので、ワイン通を目指すならば、Chambolle Musigny(シャンボール・ミュジニー)あたりだけでも手に入れておいてもいいのではないでしょうか?
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Claude Dugat(クロード デュガ)も赤の生産者の中では外せないことは言うまでもありません。
そもそもClaude Dugat(クロード デュガ)が所有する特級畑は
Chapelle Chambertin(シャペル・シャンベルタン) 0.14ha
Griotte Chambertin(グリオット・シャンベルタン) 0.25ha
Charmes Chambertin(シャルム・シャンベルタン) 0.33ha
と非常に小さいためどれも希少で特級畑をまとめてフラッグシップと言ってもいいかと思います。
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従兄弟のBernard Dugat-Py(ベルナール・デュガ・ピィ)も同様に優秀な生産者です。
Chambertin(シャンベルタン)
Mazis Chambertin(マジ・シャンベルタン)
Mazoyères Chambertin(マゾワイエール・シャンベルタン)
Charmes Chambertin(シャルム・シャンベルタン)
の特級畑を所有していますが、ワイン通として注目すべきはMazoyères Chambertin(マゾワイエール・シャンベルタン)でしょう。
そもそもMazoyères Chambertin(マゾワイエール・シャンベルタン)は隣接するCharmes Chambertin(シャルム・シャンベルタン)を名乗ることが出来るのですが、あえてマゾワイエールを名乗っている点からもしっかりとしたテロワールが主張されているのでしょう。
また、Dugat-Py(デュガ・ピィ)特徴は、すべてのグランクリュはVV(ヴィエイユ・ヴィーニュ)となっているので、このことはワイン通として押さえておかなくてはなりません。
最近では白のCHASSAGNE MONTRACHET 1er CRU MORGEOT(シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ モルジョ)も造り始めたのでワイン通どうしの話のネタにどうぞ。
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ジュブレイを代表するドメーヌでまず浮かべる方が多いであろうArmand ROUSSEAU(アルマン ルソー)。
しかし、ドメーヌの名前にもある当主だったアルマンは1959年に既に亡くなっています。
現在はその息子たちが引き継いでおり、同様に高品質のワインを造り続けていて評価は非常に高いです。
そんなアルマン ルソーでは基本的にグランクリュであっても新樽を使わないというドメーヌで新樽100%で造られるのが、
CHAMBERTIN(シャンベルタン)とCHAMBERTIN CLOS DE BEZE(シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ)となります。
また、GEVREY CHAMBERTIN 1er CRUCLOS SAINT JACQUES(ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ クロ・サン・ジャック)はプルミエ・クリュですが、70〜100%の新樽率なので新樽を使うこの3銘柄がフラッグシップ銘柄と言っていいでしょう。
余談だが、CHAMBERTIN CLOS DE BEZE(シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ)はCHAMBERTIN(シャンベルタン)を名乗ることが出来るが、テロワールの違いを出す為にCLOS DE BEZE(クロ・ド・ベーズ)とは別に造っているのはワイン通なら常識ですが、この違いを水平で体験する機会があったならばワイン通として確固たる地位を確保できるでしょう。
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ブルゴーニュを語るうえで忘れてはいけないのがLeroy(ルロワ)です。
かつてはDRCの共同経営としてロマネコンティのボトルにもLeroy(ルロワ)の文字があったのは昔からのワイン通なら懐かしいのではないでしょうか?
そんなLeroy(ルロワ)ですが、ドメーヌ・ルロワ、メゾン・ルロワ、Domaine d’Auvenay(ドメーヌ・ドーヴネ)の3つのルロワがあります。
ワイン通はドメーヌ・ルロワ、Domaine d’Auvenay(ドメーヌ・ドーヴネ)の全銘柄はDRCと同じようにすべてフラッグシップとも言っていいほどです。
Domaine d’Auvenay(ドメーヌ・ドーヴネ)はマダム・ルロワの個人所有畑のブドウのみからワイン造りをしているので彼女の究極のワインを具現していることからドメーヌ・ルロワ同様に評価されています。
ドメーヌ ルロワ、ドーブネのキャップシールは赤ワインなら赤、白ワインは黄色。
一方、メゾン ルロワはすべて白ですので、ラベルをじっくり見なくてもパッと見でドメーヌ物かドーブネか、ネゴシアンものなのかをワイン通は判断しないといけませんよ。
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